審美歯科治療

「笑顔に自信が持てるようになりたい」
「自然で美しい歯を手に入れたい」
「治療跡が目立たないようにしたい」
審美歯科治療は、単に歯を白く美しくするだけでなく、お口全体のバランスや機能性を考え、長く快適に過ごせるお口を目指す治療です。
当院では、見た目の美しさと機能性の両立を大切にし、再治療のリスクを減らすための精密な審美治療をご提供しています。
スマイルラインから差し歯を作る審美治療法
スマイルラインとは言葉どおり、笑った時の歯の位置を指します。笑った時を基準に歯を作る方法があるのです。
スマイルラインから診る前歯の審美治療

前歯の差し歯を作る時に一番気を遣っているところは真ん中の前歯の先(切端)の位置です。
前歯の先の位置のことをインサイザルポジションと言います。(以下インサイザルポジション)
インサイザルポジションはあらゆる方法で決定されますが、今回はスマイルラインからインサイザルポジションを決める方法をご紹介します。
スマイルライン

軽く微笑んだ時に歯が見えますよね?
その時上唇の線から女性なら3〜3.5mm、男性なら2〜2.5mm下に切端が見えることが審美的と言われています。
欧米人の女性だと上唇3mmよりやや長く歯を作ることが好まれています。
下の唇のラインに沿って歯が並んでいる

軽く微笑んだ時6本の歯の先端を連ねた線が下唇ラインに沿って並んでいると審美的と言われています。
黄金比

黄金比(ゴールデンプロポーション)を使って歯の形や長さを決める基準に用います。
中切歯(真ん中の歯)と側切歯(2番目の歯)、犬歯(3番目)の比率が
1.618:1:0.618の黄金比が理想と言われています。
注:黄金比は欧米人の歯の形を基準に作られました。
アジア人の歯の形は欧米人に比べやや短い傾向になりますので、黄金比はあくまで参考程度に捉えます。
上下の唇とインサイザルエッジ、歯茎のライン

スマイルラインからはひとつだけが合っているかだけでなく様々な視点から評価し、適正な位置を作ります。
前歯の歯茎を連ねた線、上下の唇の線、歯の切端を連ねた線がすべて調和がとれなければ審美的とは言いません。
またそれだけでなく噛み合わせの問題、衛生的な問題も考えながら審美治療を行います。
歯の標準的な長さ

歯には平均的な長さがあり、この長さを指標に差し歯を作ることがあります。
また前歯の縦:横の比率が80%が理想と言われています。
これらの平均的なデータも差し歯を作る際参考にします。
当院で行うセラミック治療
セラミックは被せ物や詰め物に使用される素材の1つです。
セラミックは、陶器と同じ素材でできており、透明感があり、天然歯と同じような自然な色調を再現できます。
むし歯などの治療の際に「被せ物」の素材として使用され、今入っている銀歯をセラミックの被せ物に変えることも可能です。
保険の歯科用プラスチックの素材は、経年変化で少しずつ黄ばんだようになってしまいますが、セラミックは変色せず、歯科用プラスチックに比べて汚れがつきにくい特徴があります。
また、ほとんどのセラミックが金属を使用しないので、金属アレルギーの心配がなく、身体に優しい素材です。
セラミックの中でもいくつか種類があり、保険の被せ物もありますので、特徴をご紹介します。
オールセラミッククラウン

オールセラミッククラウンは、金属の素材を一切使用せずに、セラミックだけで製作した被せ物です。
金属を一切使用しないので、被せ物と歯ぐきの境目が黒ずむこともありません。
そのため、見た目が重視される前歯の治療に選ばれることが多いです。
また、金属アレルギーの心配がないので、身体に優しい素材です。
保険が適応しない自費治療です。
ジルコニアセラミック

ジルコニアは、軽くて丈夫なセラミックの1つで「人工ダイヤモンド」「人工関節」「スペースシャトルの外壁」などに使用されている軽くて非常に硬い素材です。
金属を一切使用しませんが、白くて強度が高い被せ物を製作できるので、強いかみ合わせでも対応でき、奥歯にも使用できるセラミックです。
歯ぎしりや食いしばりのある方でも対応ができ、人工ダイヤモンドに使用されるように、強度が強いので被せ物が欠けるのではなく、外れることが多くなります。
ただし、白い被せ物で製作できますが、オールセラミックほど透明感はなく、審美性を比べると、オールセラミックの方が優れています。
そのため、審美性に優れているオールセラミックは「前歯」に使用されることが多く、強度が高いジルコニアセラミックは「奥歯」に使用されることが多い素材ですが、保険が適応しない自費治療です。
それぞれの特徴によって、患者さまによりよい被せ物の素材を提案させていただきます。
e-max

e-max(二ケイ酸リチウム)は、その強度と審美性により、人気を集めているオールセラミック歯科修復材料です。
e-maxの主な強みは、適度な強度と透過性の高さです。
透明度が高いため症例は選びますが、接着力が高いためラミネートベニアには最適です。
さらに、臨床歴がジルコニアと比較して長いため、多くの歯科医院でも愛用されています。
しかしながら、セラミック特有の一点集中の力には弱く割れるリスクがあるのも特徴です。
セレック

セレックシステムは、詰め物や被せ物などのセラミック修復物を、比較的安価に、製作から装着まで短時間で行うことができるシステムです。
建築設計に用いられるCAD/CAMシステムを応用したこの歯科用システムは、まず専用の3Dカメラで口腔内を撮影し、歯の模型からデータを読み取り、コンピュータ上で人工歯を構築します。
その後、ミリングマシンで精密なセラミックブロックを削り出し、高精度な修復物を作り上げます。
ハイブリットセラミック(CAD/CAM冠):保険でできる白い被せ物

セラミックと歯科用プラスチックを混ぜ合わせて製作した被せ物です。
強度は、セラミックを混ぜるので、歯科用プラスチックだけで製作するより強度は増しますが、セラミックだけの素材に比べると、強度は劣ります。
プラスチックの素材が入っているので、歯ぎしりなどに対応できず、すり減ってしまうことがあります。
また、歯科用プラスチックは水分を含むと経年変化で少しずつ黄ばんだように変色してしまいます。
近年、厚生労働省の制度改正により、条件付きで白い歯(レジン系材料やCAD/CAM冠など)の保険診療が大幅に拡充されました。
ラミネートべニア

ラミネートべニアとは、エナメル質の範囲で少しだけ歯の表面を削り、その表面に薄いセラミックを貼り付ける方法です。
歯の色や形を変えたい方であまり歯を削りたくない方に適応になります。
ホワイトニングは色の後戻りがありますが、ラミネートべニアは歯の削る量を最小限に抑えて、自由に色を選択することができて、色の後戻りがありません。
また、治療期間も短く治療ができますが、被せ物に比べて外れやすいことや適応ができ症例が限られていて、保険が適応しない自費治療です。
セラミックインレー

クラウンは「全体的な被せ物」ですが、インレーは「部分的な被せ物」です。
クラウンより、むし歯の範囲が狭く、神経の治療が必要ない場合に適応されます。
全体的な被せ物と比べると、欠けやすいというデメリットがあり、改良が繰り返されてきました。
部分的な被せ物と歯の間に二次むし歯ができないように、精密に接着する必要があり、クラウンに比べて技術が必要な治療になり、保険が適応しない自費治療です。
セラミック矯正

セラミック矯正は、最近注目されている歯科治療の一つです。
この方法では、セラミックの被せ物を使って歯並びを美しく整えます。
インターネット上では、「短時間で歯並びが綺麗になる」「芸能人のような口元になる」といった魅力的な情報がアピールされていますが、すべての人に合った治療ではないこともあります。
セラミック矯正は、歯を大きく削る治療なので、一度削った歯は元に戻せません。
実際には、治療後に後悔する人もいると言われています。
セラミック矯正は情報を理解して、自分に合った治療を選択することが大切です。
銀歯とセラミックの違い
銀歯は保険が適応でき、強度が高く費用を抑えて治療できるので、多くの方が選択してきた素材です。
ただし、銀歯なので光って目立ってしまうなど審美面で課題があります。
また、銀歯を使用すると生じる可能性があるデメリットもありますのでご紹介します。
銀歯のデメリット
銀歯は歯ぐきの黒ずみの原因になることがある
長い間銀歯がお口の中にあると、少しずつ銀イオンが溶け出して、歯ぐきが黒く変色する可能性があります。
1度黒ずんでしまうと、銀歯を外しても元通りになることはありません。
前歯の部分が黒ずむと見た目が気になってしまうことも多く、この黒ずみを除去するためには、レーザーの治療が必要です。
セラミックであれば、金属を使用しないので、歯ぐきが黒ずむ心配がありません。
銀歯は接着部分に細かい段差ができる可能性がある
銀歯はセメントで接着しますが、銀歯の性質で冷えると収縮して、熱で膨張する性質を持っています。
そのため、生活しているうちに少しずつ接着材を溶け出して、歯と銀歯の間に細かい段差ができることがあります。
歯と銀歯の間に細かい段差ができると、汚れが入り込んで二次むし歯になってしまうことがあります。
そして、被せ物が取れるころには、むし歯が大幅に進行していることも少なくありません。
セラミックの場合には、熱で膨張・収縮をしないので、接着部分のセメントが溶け出しにくくなります。
また、セラミックの場合には、自費治療なので、接着材の材料も接着性の高い材料を使用します。
二次むし歯のリスクを減らすためには、銀歯とセラミックを比較するとセラミックの方がおすすめです。
銀歯は金属アレルギーのリスクがある
銀歯で使用される「パラジウム」は、お口の中で少しずつ金属イオンが溶け出します。
この素材は金属アレルギーの可能性がある素材です。
そのため、銀歯を長期的に使用していると、金属アレルギーの可能性があるのです。
今まで金属アレルギーではなくても、急に金属アレルギーの症状が出ることもあります。
セラミックの素材であれば、金属を使用していないので、金属アレルギーの心配がなく、身体に優しい素材です。
セラミックのメリット
審美的に優れていて透明感のある白い歯を手にいれられる
セラミックは周りの歯に合わせて、透明感のある自然は白い歯を手に入れられます。
また、セラミックで被せ物をする時には、歯のすき間を埋めたり、形や長さを自由に決めたりすることが可能です。
汚れや着色がつきにくい
セラミックは陶器と同じ素材なので、汚れや着色がつきにくく、二次むし歯の予防効果が期待できます。
二次むし歯になりにくい
むし歯治療は、詰め物や被せ物の治療をしますが、詰め物や被せ物のすき間からむし歯菌が入り込み、二次むし歯になることも少なくありません。
セラミックは接着性が高いので、すき間からむし歯菌が入り込みにくく、二次むし歯になりにくい特徴があります。
身体への負担が少ない
セラミックは金属を使用していないので、金属アレルギーの心配がなく、身体に優しい素材です。
また、金属イオンが溶け出して歯ぐきが黒ずむ心配もないので、見た目だけでなく機能的にも優れている素材です。
セラミックのデメリット
銀歯に比べて歯を削る量が多い
セラミックで強度を保つためには、ある程度歯を削る必要があります。
銀歯は強度が高い素材なので、セラミックに比べると歯を削る量を抑えて治療ができます。
強い衝撃で割れたりかけたりする場合がある
セラミックは陶器と同じ素材なので、強い衝撃の弱い特徴があります。
強く歯をぶつけたり、歯ぎしりの強い力などで割れる可能性があります。
歯ぎしりがある方はマウスピースで歯と被せ物を守りましょう。
まとめ
セラミックは審美的に優れていて、透明感があり、ほかの歯と調和できる素材です。
また、接着性も高く、二次むし歯になりにくい素材なことから機能的な面でも優れています。
自費治療なので、費用が高くなることはありますが、優秀な素材なので、セラミックを選択する方が増えてきています。
セラミックに関して気になることがありましたら、カウンセリングでお答えできますのでどのようなことでもご相談ください。