2023/01/13
歯科用セラミック材料の特徴と種類
歯科用セラミック材料は、折れた歯や欠損した歯を修復するために、使われる材料の一つです。
しかし、セラミックてそもそもなんなのか?何が違うのか?よくわからない方も多いと思います。
この記事では、そのあたりを詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、セラミックについてより深く理解することができます。
そもそもセラミックとは?
セラミックスは、金属ではない元素(シリコンやダイヤモンドなど)と無機化合物(酸化物、炭化物、窒化物など)の複合体と定義され、元素の組み合わせで構成されています。
セラミックスは、金属やプラスチックに比べ、硬くてもろい、摩耗しにくい、温度や腐食に強いなどの特長があります。
また、さまざまな元素を添加することで、温度変化に対する耐久性や無通電での熱伝導など、金属やプラスチックにない特性を持つものもあります。
つまりセラミックと言っても多種多様な種類があるのです。
歯科用セラミック材料とは?
歯科用セラミック材料は、クラウン、ブリッジ、ベニアなどの審美的な修復物を作るために使用される特殊な材料です。
大きく分けて長石・リューサイト系、リチウムダイシリケート系(二ケイ酸リチウム)、ジルコニア系など、様々な材料から作られています。
これらの材料を組み合わせてセラミックペーストを作り、加工して天然の歯の形や見た目を再現することができます。
歯科用セラミックは、無機コア、有機バインダー、コーティング材という複数の成分から構成されています。
無機コアはセラミックの強度を、有機バインダーは材料の柔軟性を、そしてコーティング材は摩耗から保護する役割を果たします。
歯科用セラミック材料の種類
歯科用セラミック材料にはいくつかの種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
修復物に使用される最も一般的な歯科用セラミックの種類は、長石・リューサイトセラミック、二ケイ酸リチウムセラミック、ジルコニアの3つです。
これらのセラミックスはそれぞれ独自の性質を持ち、様々な種類の修復物に適しています。
リューサイトセラミック
リューサイト強化セラミックスは、リューサイトの結晶と高品位シリケートガラスのマトリックスで構成されています。
このセラミックは丈夫で長持ちするため、口の中全体の修復や大きな修復物に理想的です。
また、柔軟性に富んでいるため、あまり硬くないという特性を持っています。
曲げ強度で言うと80〜160MPa程度と強度は低いため、接着により歯と一体化させ強度を高めると言う方法で用いられます。
昔からあるセラミックで二ケイ酸リチウムやジルコニアがなかった時代には、長石系セラミックを用いて、耐火模型法でポーセレンインレー、アンレー、ラミネートベニアなどが作成されていた。
当時は接着の技術も進んでいなかったため、適応方法が限られていましたが、接着技術が進んだ現在では、適応の幅は広がっています。
二ケイ酸リチウムセラミック(e-maxなど)
二ケイ酸リチウムセラミックは、二ケイ酸リチウムの粉末と有機セラミック相のマトリックスから構成されています。
これらのセラミックは、高い強度と優れた審美性により、クラウンやベニアに最もよく使用される材料です。また、小・中サイズの修復物にも適しています。
曲げ強度で言うと、380〜500MPa
強度と審美性を兼ね備えた材料
透過性が強く審美的な反面、支台歯の色の影響を受けやすい
ジルコニアセラミック
ジルコニア (ZrO2) – ジルコニアは、強度、耐摩耗性、優れた審美性で知られる、一般的な歯科用セラミックの一種です。
ジルコニアは、フルマウスレストレーションやより専門的な修復物の作成によく使用されます。
曲げ強度は1000MPa〜と強度が高い
強度が強いため、インプラントの上部構造や臼歯部のクラウン、オールセラミックのフレームなどに使われます
デンタルセラミックスの特徴
歯科用セラミックには、さまざまな成分や分類の他に、歯の修復に理想的ないくつかの特徴があります。
セラミックスは強度が高く、耐久性に優れているため、歯科治療に適しています。
また、摩耗や着色にも強いので、前歯部分のベニア修復などにも最適です。
また、セラミックは審美性にも優れているため、クラウンなどの修復物に使用すると非常に自然に見えます。
歯科用セラミックのメリット・デメリット
歯科用セラミックの利点は数多くあります。丈夫で耐久性があり、優れた強度と耐摩耗性を発揮します。
また、汚れがつきにくいので、歯周病への抵抗性にも優れています。
また、患者さん一人ひとりのニーズに合わせてカスタマイズすることも可能です。
デンタルセラミックの欠点は、そのコストです。日本の場合、保険治療には含まれていないため
コンポジットレジンのような他の材料よりも高価になる傾向があります。
また、修復が難しく、噛み合わせに異常がある場合、『痛み』が出やすく調整せず直るということがありません。
色調再現の精度によっては技工士が形を整えるのに時間がかかることもあります。
まとめ
歯科用セラミック材料は、折れたり欠損した歯の修復に最適な選択肢です。
強度と耐久性に優れ、優れた強度と耐摩耗性を発揮します。
また、優れた審美性も備えており、クラウンやその他の修復物に使用した場合、非常に自然に見えるようになります。
他の材料より高価かもしれませんが、その強度と耐久性から価格以上のものだと考えています。
【執筆者】
栃内歯科医院 高度診療主任 栃内秀啓
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